認知行動療法とは？
感情的に何となく物事を判断したり，一つのことがうまくいかないと全てがだめだと考えたり，不安をどんどん先取りしていく，などの思考のパターンが強いと，心に不調をきたしやすくなります．認知行動療法では，バランスのとれた思考や行動パターンを学び，実践していきます．
また，例えばパニック障害で電車が乗れない方に対しては，回避を繰り返し，日常生活を制限するのをやめて，不安階層表を作成し，段階的に，曝露を実施することで，克服できるようサポートします．

行動活性化
うつ病の患者さんにみられやすい行動パターン（将来への不安や，過去の後悔，不快な出来事などを何度も反復して考えつづける（反すう），今するべきことを先延ばしにする（回避）)に気づき，目的に応じた行動を増やすことで気分が改善することを学び，実践していきます．

ただし，うつ病の患者さんは疲れやすいので，やみくもに行動を増やすのは良くありません．事前にどのような行動をどのくらいおこなうか計画を立てます．はじめは，少しずつですが，徐々に行動量を増やしていくと，気分に依存せず行動ができるようになります．

認知再構成
①ストレスを感じる出来事をありのまま見つめ，②どんなストレスを感じたか？を明らかにします．③その感じ方やその時の自分の言動は，客観的事実に基づいていたか？合理的判断だったか？を考え，さらに，④相手の立場から考えたらどうか？もし他人から相談を受けたら自分はどう助言するか？など視点を変えることで，より客観性の高い思考をめざします．治療者と一緒に最近のストレスを振り返ることで，自身の陥りやすい思考パターンが意識できるようになり．次第に，適応的思考が習慣化されます．

この他にも，アサーショントレーニング，問題解決技法などがありますが，これも含め，治療方針はセラピストが個別に検討します．