認知行動療法
認知行動療法とは?
私たちは、出来事そのものだけでなく、その出来事をどのように受け止め、どのように考えるかによって、気分や行動が大きく影響されます。
たとえば、感情に流されて物事を判断してしまう、一つのことがうまくいかないと「すべてがだめだ」と考えてしまう、まだ起きていないことへの不安を次々と先取りしてしまう、といった思考パターンが強くなると、心の不調につながることがあります。
認知行動療法では、自分の考え方や行動の特徴に気づき、より柔軟でバランスのとれた考え方や行動パターンを身につけ、実際の生活の中で実践していくことを目指します。
また、パニック障害などで電車に乗ることを避けるようになり、日常生活の範囲が狭くなっている場合には、不安の程度を整理した「不安階層表」を作成し、無理のない範囲から段階的に苦手な状況に慣れていく曝露療法を行うことがあります。回避を少しずつ減らしながら、生活の幅を取り戻していけるよう支援します。
行動活性化
うつ病などでは、将来への不安や過去の後悔、不快な出来事について何度も考え続ける「反すう」や、今取り組むべきことを先延ばしにしたり避けたりする「回避」がみられることがあります。
行動活性化では、こうした行動や思考のパターンに気づき、自分にとって意味のある行動や、目的に沿った行動を少しずつ増やしていくことで、気分や生活の状態を改善していくことを学び、実践します。
ただし、心身の不調があると疲れやすいため、やみくもに活動量を増やすことは適切ではありません。あらかじめ、どのような行動を、どの程度行うかを計画し、無理のない範囲から段階的に取り組んでいきます。
こうした練習を重ねることで、「気分が良くなってから行動する」のではなく、気分に左右されすぎず、必要な行動をとれる力を身につけていきます。
認知再構成法
認知再構成法では、ストレスを感じた出来事を振り返り、そのときにどのような気持ちになり、どのような考えが浮かんだのかを整理します。
そのうえで、
1. その考えは客観的な事実に基づいているか
2. 極端な捉え方になっていないか
3. 相手の立場から見ると、どのように考えられるか
4. 同じことで友人から相談された場合、自分ならどのように助言するか
といったさまざまな視点から考え直していきます。
治療者と一緒に最近のストレス場面を振り返ることで、自分が陥りやすい考え方のパターンに気づき、より柔軟で現実的な捉え方を身につけていくことを目指します。繰り返し練習することで、新しい考え方を日常生活の中でも使いやすくしていきます。
その他の認知行動療法
このほかにも、相手を尊重しながら自分の考えや気持ちを伝えるアサーショントレーニングや、問題を整理して具体的な解決方法を検討する問題解決技法など、さまざまな方法があります。
どの技法を用いるかは一律ではなく、症状や困りごと、生活状況などを踏まえて、公認心理師が個別に検討します。
